まちあるきの面白さ

 世界一周ブログとかを見ていると、日本人旅行者の特権として金持ちの振る舞い・貧乏旅行者の振る舞いの両方を体験できると書いているものが散見される。

 僕は、この言説に納得できる部分がありながらも日本では両方体験できないのかと思っていた。

 そして、今日クリスマス・イブ。

貧富ではなく聖堕という評価軸ではあるが、どちらも経験できた。これによって「日本でも両極端な体験を短いスパンですることは可能やん。」となり、以前からの懸念を払拭できた。

"聖"「東京カテドラル」と"堕"「渋谷ラブホ街」という電車で20分もあれば移動できる。(念のために言っておくと、僕は"堕"の人間臭さも大好きである)

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東京カテドラル:厳かなミサで人々の願いが天井へと昇る、聖夜の象徴

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渋谷ラブホテル:快堕をむさぼる男女が人間も動物と思い出せてくれる、性夜の象徴

 

普段から様相が大きく異なる二つの場だが、クリスマス・イブはその差異が際立つ。

 

丹下健三の名作ともいうべき東京カテドラル、人々はパイプオルガンと賛美歌が反響しながら天に昇るのに追従するかのように思いが天に昇る聖なる空間。隣で熟年夫婦の妻は言った。「また来年も一緒に来たいね。」

愛の中でも純粋無垢な馬による慈愛という単語がしっくりな空間。

 

一方、設計者が顔を出したがらない集合体の渋谷ラブホ街、人々(特に男性)は狭いビルとビルの狭間で動物としての本能を抑え込みながら人としての尊厳っぽいものを守ろうとしている。隣でカップルの女性は言った「やっぱり、あなたとは体を遭わせたくない。」

愛の中でも腹に一物ある狼による愛慕という単語がしっくりな空間。

 

どちらも人間の欲望が発露している。なのに、こうも結果が違うのか。

人間って面白い。

もっと、人間の思い・文化が表出した結果である街を歩きたい。日本の街も海外の街も。